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監修者:粟生

社会福祉士、精神保健福祉士、公認心理師。大学卒業後、福祉系の専門学校に入学し、社会福祉の道に進む。行政や社会福祉協議会等で、子供から高齢者、障害者と幅広い属性の方の相談援助業務に携わってきた。現在はソーシャルワーカーとして若者の相談支援に携わっている。

フリーター・ひきこもりインタビュー

派遣社員から正社員へ。バンドマンの就職活動と結婚

2022年3月28日

バンド活動から一転し、就職活動を始めたNさんにインタビューを行いました。

※個人の感想と方法で、全てのケースに変化を保証するものではありません。

バンドマンとしての売れない日々

ギターを弾く男性

ー 本日はよろしくお願いします

「よろしくお願いします。なんか緊張しますね」

ー 先日までアルバイトで生計を立てていたとお聞きしたんですが

「そうですね。飲食店で働いていました」

ー 現在のご年齢は?

「28歳です」

ー これまでは就職しようとは思われなかったんですか?

「実は音楽をずっとやってまして就職という発想がなかったんですよね」

ー 音楽でご飯を食べようと思われてたんですか?

「そうなんです。大学卒業してから関西でずっとバンドをやってたんですけど、本格的に活動したいと思って、メンバーと一緒に東京に引っ越してきて、そのままダラダラと・・・いやダラダラではないですけど」

ー 東京は家賃も高いですけど、アルバイトだけで食べていけてたんでしょうか?

「メンバー5人で一緒の部屋に住んでたんですよね。だから家賃は折半して。ただ楽器の練習も家で出来るようにしてたんで、家が無駄に広くて・・・生活費はギリギリでした」

ー 何年くらい東京で活動されてたんでしょうか

「24くらいからだと思うんで、4年くらいですかね?」

ー その間音楽での収入は全くなしですか?

「・・・全くなしでしたね。プラスどころかマイナスの方が大きかったですよ」

ー マイナスですか?

「はい。音楽て凄くお金がかかるんです。ライブハウスに出る為にお金を払わないといけないんですけど、それが大体10万円とか、大きい所だともっとですね。」

ー そんなにかかるんですか?出演料みたいなものは貰えないんですか?

「ないですないです。いや、10万円ていうのは、言い換えればチケット料金みたいなもんなんですよ。つまりチケットをさばければ赤字は避けれますし、多く売ればポケットマネーにもなるんですけど、僕ら東京に友達もいないんで、全部自腹でっていう」

ー ファンを作るのが難しかった?

「そうですね。ファンの方は何人かいましたけど、いつも来れる訳じゃないですし。週に2回程度はライブしてたんで。あと、それ以外にもスタジオ代が毎回5千円とか。CD作ったり、楽器のメンテナンスにもお金はかかるんで。本当ギリギリでしたね」

ー 焦りみたいなものは感じていました?

「焦りは・・・少なかったですね。根拠のない自信みたいなのもありましたし、他の4人もそんな生活なんで世間一般もそんなもんなんだろうなって感じで」

ー 音楽やっているのが楽しかったというのもあるんですかね?

「いやーどうでしょう・・・。しんどい時もありますよ。ライブハウスでもお客さんが毎回増えている訳じゃないんで。他のバンドのお客さん数人相手にやっていることがほとんどなので」

ー ワンマンでやってた訳じゃないんですか?

「いえいえ。ワンマンは滅多にないです。大抵は、バンド数組とやるんですよ。で、他のバンドがお客さんを呼んでくれるっていう」

ー なるほど。じゃあアウェイでモチベーションも上がりずらいと

「そうですね。たまに関西に帰ってライブやっていたんですけど、それは楽しかったです。友達もいっぱい来てくれてホームでしたから。あれは楽しかったですねー」

就職活動への転機 彼女との結婚

ー では何処から働かないといけないと意識が変化されたんでしょうか?

「何処からですかねー彼女の影響かもしれないですね」

ー 彼女がおられたんですか?東京に?

「はいバイト先に彼女がいて、彼女も丁度大学を卒業してこれから働くって時期に、なんとなく関西遠征とかぶったんで、お前も遊びに来る?的なことになって」

ー 関西のライブに一緒に来られた?

「はい。で、関西に帰る時は実家で過ごしてたんで彼女も家に来て、親に紹介してみたいな流れの中で、結婚を考えるようになったんですよ」

ー 彼女と生活する為に就職を考えたんですね。ミュージシャンを続けながら結婚とは考えなかったのでしょうか?

「そうですね。まぁ出来ないことはないかもしれないですけど。その考えはなかったです。で、関西から帰る車の中でバンド辞めようと決意しました」

ー メンバーはびっくりされませんでした?

「そうなんですよ。それを言うのが本当怖くて。どんな反応されるのか。」

ー どうやって話されたんですか?

「酔ってる勢いで言いました(笑)」

ー 止められませんでした?

「止められましたね。その場では、あんまり何も言われなかったんで、良かった~!って安心してたら、後日話があるってリーダーのベースの奴に飲みに誘われて、そこで3時間くらい説得されました」

ー でも折れなかった?

「折れかけましたけどね。3時間説得て言っても、2時間くらいは無言で圧力をかけられましたから。でも、ごめんの1点張りで。その後家帰って寝て起きたら、長文の手紙を渡されて、自分がいかに必要かっていうのが書き連ねてあって」

ー いいメンバーですね

「そうですね。さすがに折れかけました。ただ東京へ帰ってきたと同時にハローワークへ行って面接の予定も決めてたんですよ。だから引くに引けなくて」

ー 関西から帰ってきてからすぐ行動されてたんですね

「はい。帰って次の日に」

初めての就職活動 派遣社員から正社員への道

ー ちなみに何の仕事ですか?

「ネットショップです。発注受注とか、セールスレター書いたり、ホームページとかSNSの更新とか」

ー お得意なんですか?

「実務経験はなかったんですけど、バンドのホームページとかメール受付とかは自分の担当だったんですよ。だから出来るかなーと思って」

ー 結果はどうでした?

「駄目でしたね。プログラミング出来ますか?とかHTML・CSS分かりますか?とか聞かれたこと全部いいえ。って言って。最後にブラインドタッチは?って聞かれてそれもいいえって言ったら、駄目だこりゃみたいな顔されて。」

ー スキルが足りなかった?

「HPも見よう見まねでやってたんで、やろうと思えばできたんでしょうけど、とにかく自信がなかったんですよ。面接から帰ってきた日はさすがに心が折れて、やっぱり音楽やろうかなってフワフワしましたけどね」

ー その後はどんな就職活動をされたんですか?

「就職活動の仕方が全く分かってなかって、でも同じように音楽辞めて就職している人もいるだろうなーって思って調べました。でもバンドマンは紐生活で生きていこうみたいなのも多くてこりゃ駄目だって。で、とにかく経験を積もうってことで、派遣会社へ登録しました」

ー 徐々にスキルアップしていこうと

「そうですね。28で就職するには派遣かアルバイトで経験を積まないと難しいんだなーって気付いて。ブラック会社なら正社員でも大丈夫かもしれないですけど。どうしても週休2日は諦められなかったんで」

ー 派遣会社ではすぐに仕事が決まりましたか?

「派遣も思ったよりハードルが高いんだなーって思いました。選び放題みたいなイメージだったんですけど、工場みたいなのしかなくて。短期のがほとんどなんですよね。半年くらい派遣で働いたくらいじゃ厳しいだろうなって」

ー どうしてもキャリアがある方が優先的になりますからね

「ですよね。だから職歴がなくても紹介してもらえる派遣会社を探して、そこで紹介予定派遣を見つけて。紹介予定派遣なら正社員前提で働けますし、ハードルも少し低いので」

ー では今は紹介予定派遣で働かれているのでしょうか?

「そうです。同じくネットでの販売業なんですけど、未経験でも良いということだったので」

ー 正社員への予定も?

「分からないですけど。一応後3カ月くらいで、向こうが雇ってくれればって感じですね。」

ー メンバーはもう説得できました?

「正社員が決まったら諦めるって言われてます。切られたら戻ってこいと」

ー 愛されてますね。応援もするし帰る場所も用意してくれているんですもんね

「まぁ腐れ縁ですよね」

ー じゃあ最後にですね、同じく正社員未経験の方にメッセージがあれば

「そうですね。やっぱり直ぐに就職するのは難しいと思うんですけど、仕事は選ばなければありますし、やりたい仕事があれば
バイトでも派遣でもいいんで実績を積んでアピールするってことですね。続けていれば必ず就職は出来ると思います・・・自分がまだなのにこんな事言っていいのかわかんないですけど」

ー 本日はありがとうございました

「ありがとうございました」

※個人の感想と方法で、全てのケースに変化を保証するものではありません。

  • この記事の監修者

監修者:粟生

社会福祉士、精神保健福祉士、公認心理師。大学卒業後、福祉系の専門学校に入学し、社会福祉の道に進む。行政や社会福祉協議会等で、子供から高齢者、障害者と幅広い属性の方の相談援助業務に携わってきた。現在はソーシャルワーカーとして若者の相談支援に携わっている。

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