「自己PRなんて無い」
ニートが自己PRすることなんて何かあります?
人より長けている特技といえば、近所の人に見つからず外出することくらいですよ?
人に自慢できる特技といえば、どんな形式の動画ファイルでも見れることくらいですよ?
当時は僕もそんな風に思っていました。
でも実は『自己PR』と『空白期間』は関係なく、ニートでも自己PRする方法はいくらでもあるのです。
今回の記事では、
元ニートの先輩たちが、「企業にどんな自己PRをして採用されたのか」、また「どんな自己PRをしたら不採用になったのか」を紹介」。
さらに採用担当者に読んでもらい、どこが良かったのか、どこが駄目だったのかも添削してもらいました。
ニート・無職の自己PRの書き方・面接での言い方
ニートの自己PRポイント
- 面接官の不安を取り除く
- 強み/長所/会社への貢献度をアピールする(具体性が必要)
- 会社への関心を見せる/意欲と姿勢を見せる
面接官の不安を取り除く
面接官はあなたの空白期間を不安に感じているのです。
「なぜ働いていなかったんだろう」
「今後は働けるのかな?」
「続かなかったらどうしよう」
まずはこれら不安を解消しましょう。言い訳をする必要はありません。
例えば介護の必要があったなら
「家族の介護で就活できませんでした。介護してくれる人が見つかった。これからは一生懸命仕事を頑張る」
と、簡潔に述べれば問題ありません。
強み・長所・会社への貢献度をアピールする
強み長所は今持っているスキルをアピールすること。
効果的なのは、応募企業の業務に関連していることです。
あなたが飲食業界を志望するなら、飲食店で役に立つスキルをアピールしなければなりません。アルバイトで働いた経験、接客業の経験をアピールしましょう。
でもニートの場合、アルバイト経験がない方も多いでしょう。そういった時は、飲食店で働くのに必要な能力を想像して下さい。
思いつくものは全て紙に書いていきます。
飲食店に必要な能力
- レジを打つスピード
- 笑顔/愛想の良さ/元気
- 新しいことを覚える柔軟性
- 料理経験
- 手際の良さ
- 気配り
- 店の雰囲気を明るくするオーラ
- 清潔感
いくらでもありますね。
では次に、企業が重視する能力を考えましょう。
上記「飲食店に必要な能力」に点数をつけていきましょう。飲食店が最重要視するであろう能力は高得点、あまり必要としないであろう能力には低い点数をつけていきます。
これは全ての店が同じではありません。企業によって社長によって方針は違うからです。
企業の求人欄・HP・口コミサイトなどを読み込み予想していきます。これが企業研究です。
高得点の中から自分がアピールできるものを選び、自己PRを考えます。
なぜ自分は手際が良いと言えるのか?
新しいことを覚える能力が優れていると、なぜ言えるのか?
これらを具体的なエピソードを織り交ぜて話て下さい。そうすれば説得力が増します。
会社への関心を見せる・意欲と姿勢を見せる
最後は気持ちです。キャリアもスキルもない人の方が多いでしょう。
ならば他の志望者に勝る点は「熱意」しかありません。
「私は○○をこんなにも愛しているんだ!」
「○○を幸せにするのは私しかいない!」
恋愛と一緒です。
「あなたのことそんなに好きじゃないし、浮気する可能性もあるけど付き合ってください」と言って、振り向く人はいないですよね?
会社への関心や熱意、なにがなんでも一緒に働きたいし、自分は相応しい人間だとアピールするのが大切です。(もちろん根拠は必要です)
こうしてもらえると面接官としても、気になります。
面接に来てもらおうかな、採用してみようかなと考えます。
当然振られてしまうこともありますが、その時はその時。
企業なんて星の数ほどあるのですからヘコまずに次にいきましょう。
ニート・無職の自己PR例文と採用担当者の添削 成功編
ではここからは元ニート先輩の「採用された」自己PR文章を見ていきましょう。
採用担当者に添削もしてもらいますね
「空白期間3年。履歴書なんて書けない」と思っていた私の自己PR
自己PRできることはないと思っていた
大学卒業して3年も経っていたので、学生時代やったことを語る年齢でもありませんでした。そのため就職活動を始めた頃は、自分のことをうまく紹介できませんでした。
ただ一見するとネガティブなことでも、ポジティブな側面は必ずあります。
そこを説明できるようになったら、面接に通るようになりました。
(25歳男性)
この自己PRで採用されました
私の強みは計画的に物事を進めることと、新しい環境に馴染めることです。
私はこれまで公務員試験の合格を目指し、大学卒業後3年間勉強してきました。
大学の同期が就職して行く中で、取り残されている気持ちはありましたが、一度志した目標を達成するために勉強を続けて参りました。
独学での勉強だったため、気をつけた点は生活が乱れないようにすることと社会とのつながりを大事にすることです。
模擬試験で結果を出すことを目標に勉強の目標を短期、中期、長期的と分けて計画を立てて実践してきました。
新しい環境に馴染むということは、趣味ですが筋力トレーニングを約3年間続けています。
トレーニングを通して、折れない心を身につけるとともに、ジムのトレーニング仲間という切磋琢磨できる仲間を作ることができました。
新しい環境に馴染み仲間と情報交換をしてお互いを高め合っています。
以上が私の強みです。
良い点
自分の長所が具体例を交えて、しっかり書かれています。
改善ポイント
採用担当者が自己PRで重視するのは、次の3点です。
①実績(強味、長所)
②会社への関心度
③会社への貢献の可能性
①の実績については書かれていますが、②貴社について関心があること、③こんなことで貴社に貢献したい、ということもアピールすれば、さらに良かったと思われます。
この自己PRなら完璧
私の強みは、①計画的に物事を進めることと、②新しい環境に馴染むことができることです。
①計画的に物事を進めることについて
私はこれまで公務員試験の合格を目指して、大学卒業後3年間受験勉強を続けてきました。
大学の同期が就職していく中で、取り残されているという焦りはありましたが、一度志した目標を達成するために勉強を続けてきました。
受験勉強では、模擬試験で結果を出すことを目標に、短期、中期、長期に分けて目標を立て、計画立てて実践してきました。
残念ながら、合格という結果を出すことはできませんでしたが、計画を立てて実践することの大切さを学びました。
また、独学での勉強だったので、生活が乱れないようにすることと、社会とのつながりを大切にすることに心がけてきました。
私は、趣味として、筋力トレーニングを3年間続けています。
このトレーニングを通して、体と心を鍛えることができたとともに、ジムのトレーニング仲間という、切磋琢磨できる仲間を作ることができました。新しい環境に馴染み、仲間と情報交換して、お互いを高め合っています。
受験勉強やジム仲間と切磋琢磨した経験は、自分の成長にもつながりました。この私の長所・強みを貴社の仕事で活かし、貢献したいと願っています。
「嘘」のせいで面接採用が遠のいていた私が、偽ることを止めた自己PR
質問に答えられなかった
『過度な自己主張』と『自己の偽りによる自爆』で、なかなか採用されなかった。『過度な自己主張』とは、聞かれた事以外の事についても、長々と淡々に話してしまった事。
『自己の偽りによる自爆』は、自分を良く見せようとし過ぎるあまり、数々の質問に答えられなかった事です。自分を偽る意味の無さを痛感しました。
(24歳男性)
この自己PRで採用されました
私は『ダルマ』です。
理由は3つあります。
1つ目は「努力を絶やさない」です。ダルマの目の様に目標を決め、それを達成する努力を怠りません。目標に向けて、今現在のやることまでを逆算して、段取りを組んで実行に移します。
2つ目は「打たれ強い心」です。
ダルマの様に、どんなに倒されても何回でも根気強く立ち上がります。また、挫折経験も過去にあるため、その時の自分の力や教訓を大切に日々邁進します。
3つ目は「安心出来る存在」です。
ダルマの様に、周囲に常なアンテナを張り、周りから頼られ信頼される努力をします。
自分が周囲へ行っている対応は、日々の中で必ず自分へ帰ってくることが、サークルの経験から分かっているからです。
良い点
自分の長所を「ダルマ」に例え、簡潔に書かれていて、印象に残りやすい。
改善ポイント
具体性に欠けます。
「努力を絶やさない」「打たれ強い」「安心できる存在」。いずれも耳障りの良い言葉ですが、あまりにも抽象的すぎます。
自分の長所を裏付ける事例を盛り込めば、具体性が出ます。
これまで職歴がなかったとしても、学生時代のサークル活動やアルバイトで様々な経験をしているはずであり、その体験事例を自分の長所として結びつけると説得力が増します。
この自己PRなら完璧
私は『ダルマ』です。理由は3つあります。
1つ目は「努力を絶やさない」ことです。
まず最初に、ダルマの目のように目標を決め、その目標に向けて逆算して、今現在やるべきことまで段取りを組んで実行に移します。ダルマの両目に墨を入れるまで、努力を怠りません。
2つ目は「打たれ強い心」です。
ダルマのように、どんなに倒されても、何回でも根気強く立ち上がります。
3つ目は、「安心できる存在」です。
ダルマのように、周囲に常にアンテナを張り、周りから頼られ信頼されるよう努力します。
(以下、学生時代のサークル活動やアルバイトで体験した事例を盛り込む。)
私は『ダルマ』です。ダルマの長所・強みを貴社の仕事に活かし、一日も早く貴社において、信頼される存在に成長できるよう努めてまいります。
履歴書も面接も「生活するため」と答えていた私が、積極的を出した自己PR
積極性が足りなかった
履歴書を書くのも面接をするのも初めてで、まず履歴書の志望動機も何を書けばいいかわからず自分でお金を稼いで生活するためと書いた。
ですが、このような職種に興味を持ちどのように頑張っていきたいか具体的に書いて一生懸命頑張りますくらい書けば良かったなと後悔した。
面接も聞かれた事にただ返事をするだけで、もっと積極的に答えるべきだった。
(28歳女性)
この自己PRで採用されました
初めての就職なので、一般常識も身に付いておらず右も左もわかりませんが、わからないなりに一つ一つ地道に仕事を頑張っていきたいと思っています。
性格は真面目でコツコツ物事をやり遂げる事が得意です。途中で投げ出す事は絶対にしません。
与えられた仕事は最後まで責任を持って丁寧に取り組もうと思います。相手の立場に立って気持ちを考え接する事ができます。集団生活も得意です。
コミュニケーションを取ることも得意です。社交性はある方だと思います。至らない点は多々あるかと思いますが、やる気だけは誰にも負けない気持ちがあります。
採用していただいた際には会社の貢献の為に一生懸命頑張らさせていただきます。
良い点
謙虚で好感が持てます。
改善ポイント
逆に謙虚過ぎて、頼りなく感じさせます。積極性をもっとアピールすべきでしょう。
この自己PRなら完璧
私にとって、初めての就職なので、右も左もわかりませんが、何事も一つひとつ学び、地道に頑張っていきたいと思っています。
私は、まじめな性格で、コツコツ物事をやり遂げるのが得意です。与えられた仕事は、最後まで責任をもって、丁寧に取り組みます。決して途中で投げ出すことはありません。
コミュニケーションをとることも得意です。社交性もある方だと思います。そして、相手の立場に立って、相手の気持ちに寄り添って接することができます。
至らない点は多々あるかと思いますが、やる気だけは誰にも負けません。それが私の最も大きな強みだと自負しています。
採用していただいた際には、こうした私の長所・強みを仕事に活かし、会社のために一所懸命頑張ります。
ニート・無職の自己PR例文と採用担当者の添削 失敗編
企業の募集要項に合わせてるのに不採用の私の自己PR
企業が求む人材に合わせているのですが・・・
30歳まで職歴がなくフリーターなので自己PRできるものは正直ありません。
ただ企業の募集要項をしっかり読み込み、どんな人材を求めてるのかを考え、それに合わせて頭を絞り出して自己PRを書いています。
ですが、未だに採用されません。
(30歳男性)
この自己PRで不採用でした
この度リクナビネクスト で「一般事務」正社員の募集を拝見し、PC作業や伝票処理、事務仕事に強く関心をもっていたため、ご連絡しました。
貴社が求人募集で掲載されていた「素直に1から仕事を覚えていこうとする意欲や姿勢がある者を求む」という言葉が、フリーターから一念発起して正社員として働こうと決めた、自分の状況に重なり、また「守る時は守る。しかし、ここぞという時には攻める。革新を忘れない」という教訓が、今まで自分の信念として掲げていたものだったので、強く共感しました。
もし採用していただければ、会社のことを一番に考え、会社の利益が上がるよう貢献いたします。
是非ご連絡いただけましたら幸いです。宜しくお願いいたします。
良い点
自己PRのポイントの一つである「会社への貢献」意欲が書けています。
改善ポイント
企業の応募要項のコピーをそのまま記載した箇所が散見され、自分の言葉で書けていません。不誠実と判断されても仕方がありません。
「素直に1から仕事を覚えていこうとする意欲や姿勢」を、具体的な事例を交えて自分の言葉で表現するべきでしょう。
また、自分の長所・強みをアピールしましょう。
この自己PRなら印象UP
私は、フリーターとして〇年、〇〇業務に携わってきました。
こうした業務を行う傍らで、PC作業や伝票処理作業など、事務業務に携わりたいと思うようになり、自分なりにPC作業の勉強を始めました。
事務業務は未経験ですが、貴社の募集要項に記載されていた「素直に1から覚えていこうとする意欲や姿勢がある者」という言葉が、一念発起してフリーターから正社員として働こうと決意した自分の立場と重なり、ぜひ貴社で働かせていただきたいとの思いを強くしました。
フリーターとはいえ、これまで安易な気持ちで働いてきたことはありません。正社員に負けない気概で仕事に取り組んで気ました。
ただ、正社員はフリーター以上に仕事への積極性や責任感の強さが求められると思います。そのことを肝に銘じ、スキルを磨き、一日も早く正社員として貴社の戦力になれるよう頑張ってまいります。
スキルや他の人に無い経験をアピールしてるが不採用の私の自己PR
適任だと思うのですが
英語を話せることや、海外に行っていたことを自己PRに盛り込み、貿易関係の仕事に応募しているが一向に採用されない。
自分では適任だと思うのですが。
(24歳男性)
この自己PRで不採用でした
私は大学卒業してから2年間やりたい仕事、目標とするものが漠然と見つからずにいました。
就職活動は行わず、学生時代にアルバイトで貯めたお金で世界の各国を見てまわり、私は何がしたいか、考えていました。
帰国してからももう一度海外に出てみたい、海外と日本をつながる仕事をしてみたいと考えました。
私の長所は、積極的に海外に出て日本文化と海外の文化に触れ、人とのコミュニケーションを必要とする仕事をしてみたいです。
簡単な英語でのコミュニケーションには問題ないですし、外国人とのスキンシップも問題ありません。
海外生活で得た経験を仕事に活かせるよう頑張りたいと思います。できれば貿易関係の部署で私の長所を活かしたいです。
良い点
自分の長所とそれを活かせる仕事に就きたいという意欲が感じられます
改善ポイント
海外生活で身に着けたスキルをもっとアピールすべきです。
正規の仕事に従事してこなかったとしても、学生時代のアルバイトの経験はあるはずです。その経験で学んだことを、自分の長所・強みとしてアピールしてはどうでしょうか。
この自己PRなら印象UP
私は、大学を卒業してから2年間、自分のやりたい仕事、目標とするものが漠然としていて、見つけられずにいました。
その間、就職活動は行わず、学生時代にアルバイトで貯めたお金で、世界の国々を見て回り、自分は本当に何をしたいのかを、考え続けていました。
帰国して改めて、自分を見つめ直すと、もう一度海外に出てみたいという思いに駆られ、海外と日本とをつなげる仕事をしてみたいと、真剣に考えるようになりました。
積極的に海外に出て、日本文化と外国文化に触れ、人とのコミュニケーションをとる仕事に就きたいと考えるようになったのです。
幸いに、私には海外経験があり、英語でのコミュニケーション・スキルがあります。また、外国人とのスキンシップ能力もあります。
私は、正規の業務に就いた経験はありませんが、安易に適当に就職するのではなく、妥協せずに真剣に就職と向き合ってきことが、働いた経験に劣らず私の強みだと思います。
私は、海外生活で得た経験や真剣に就職と向き合った経験が、きっと貴社の事に、特に貿易関係の部署で活かせると確信しています。