【PR】この記事には広告を含む場合があります

  • この記事の監修者

監修者:粟生

社会福祉士、精神保健福祉士、公認心理師。大学卒業後、福祉系の専門学校に入学し、社会福祉の道に進む。行政や社会福祉協議会等で、子供から高齢者、障害者と幅広い属性の方の相談援助業務に携わってきた。現在はソーシャルワーカーとして若者の相談支援に携わっている。

ニート・引きこもり社会復帰

「働くのが怖い」と感じる理由・克服法を心理学的に解説|臨床心理士に突撃!

2023年6月1日

あなたは「働くことが怖い」と感じたことはありますか?

私は過去にニート生活を送っていました。

その間、何度も「就活をしなければ」と考えましたが、同じくらい何度も「怖い」という感情が芽生え、なかなか動くこと出来ずにいたのです。

ではこの「働くのが怖い」気持ちは何処からきて、どうすれば克服できるのでしょうか。

 

今回の『働くのが怖い』は、社会復帰を支援する現役臨床心理士の方に解説していただきました

この記事の内容

今記事の対象者は「働くのが怖い」という、現在無職(もしくはフリーター)の方です。

社会復帰を支援する現役臨床心理士が、フリーターやニートが抱えている「正社員で働くことの恐怖心」が生じる仕組みを心理学的に解説します。

そして、克服法や身につけるべき習慣をお教えします。また「あなたは働くことの何が怖い?」アンケート結果からパターン別改善法を解説。

「経験も職歴もないのに正社員なんて無理だ」「自信がなくて一歩踏み出す勇気がでない」という方は必見です。

この記事を読み終えたころには、恐怖心を打ち破り、正社員への第一歩を踏み出せる自分に生まれ変われるでしょう。

就職が怖い、正社員が怖い=未知の領域に踏み込むのが恐怖

筆者は普段、病院で心理カウンセリングをしています。

今日は働くことが怖いと感じる背景と、克服法を心理学的に解説するので参考にして下さい。

もう何年もフリーターを続けているあなた。ひきこもりニートで、一度も職に就いたことのないあなた。変わらなきゃと頭ではわかっていても、なかなか行動に移すことは難しいですよね?

正社員をしている友達に会う度に劣等感を抱き、自分も正社員になりたい!と何度も思ったことでしょう。

でも、いざ就職活動をしようとすると正社員で働くことのデメリットが浮かんできたり、怖くなったりして、結局諦めてしまう。

そして、フリーターのほうが気楽でいいや、ニートでもなんとかなるさと開き直ってしまう。そしてまた自分は何をやってもダメだと落ち込んでしまう。

そんな負のスパイラルからそろそろ抜け出したくはありませんか?

 

私が担当している患者さんの中には社会復帰を目指して頑張っている人もたくさんいます。

しかし、正社員を目指すことがいいのは頭ではわかっていても、始めの一歩を踏み出す怖さに尻込みしてしまう人は多いです。

正社員になることを躊躇してしまう人たちの特徴としては、“未知の領域に踏み込むことへの恐怖”が原因であることが共通しています。

アンケート「あなたは働くことの何が怖いですか?」

現在ニートやフリーターの方に「あなたは正社員で働くことの何が怖いですか?」という質問をし、回答の多かったものを以下に取り上げました。

アンケート「あなたは正社員で働くことの何が怖いですか?」

  • ①いきなり朝から夜まで働けるか不安
  • ②自由がなくなる、ストレスに耐えられるか不安(朝起きれるか、残業、休日、満員電車など)
  • ③職場の人と仲良くできるか不安(いじめられないか、無視されないか)
  • ④スキルや経験がなく、業務がこなせるか不安
  • ⑤仕事のミスで怒られないか不安
  • ⑥持病が悪くならないか不安
  • ⑦仕事相手(社外の人)と話できるか不安
  • ⑧就職した場合、悪い面ばかり思い浮かぶ
  • ⑨空白期間が長いので良い仕事が選べず興味のない仕事、不得意な仕事なので不安
  • ⑩重労働に耐えられるか不安
  • ⑪無職だったことを馬鹿にされないか不安
  • ⑫正社員は責任が重くて不安(自信がない)

これらの心理的背景と改善法についてまとめましたので、ご自身に当てはまっているところを確認されて下さい。

働くことが怖いと感じる理由と克服法

①いきなり朝から夜まで働けるか不安

あなたは、ディズニーランドで一日中遊ぶことができますか?

不安の理由

できると答えたあなたは、朝から夜まで働く体力はあります。

でも今までの経験上、仕事になるとすぐ疲れてしまうという経験がある方は、体力が問題ではないかもしれません。

仕事で疲れてしまう原因は、精神的疲労(気疲れ)にあります。

奥さんや娘のショッピングに付き合わされているお父さんが、疲れ果ててベンチで寝ている光景を見たことはありませんか?

あれは、自分の意思とは関係のない行動を押し付けられているからなのです。

身体的疲労よりも精神的疲労のほうが疲れやすく、回復しにくいといわれています。

では、どうやって疲れずに1日働くことができるのでしょうか。

ココがポイント

その答えは、「ありのまま」で働くことです。

思ったことを我慢せず主張する、自分の能力に見合った働きをする、などです。

遊びでは一日中元気なのに、仕事になるとすぐ疲れてしまうあなた。

できる人と思われたくて見栄を張っていませんか?嫌われないように、人の顔色ばかりをうかがってはいませんか?

まずは、普段から、自分らしく生きることを心掛けてみましょう。

②自由がなく、ストレスに耐えられるか不安(朝起きられるか、残業、休日、満員電車など)

これは、正社員で働くことに抵抗を感じる最大の理由かもしれませんね。

不安の理由

しかしフリーターやニートのほうが自由で楽だと言う考えに至る背景には、「合理化」という心を守るメカニズム(防衛機制)が働いているかもしれません。

合理化とは、何でも都合のいいように考え、自分は正しいと思うことで心理的に安定した状態を保とうとする心のメカニズムです。

一度、就職という困難に立ち向かおうとしても、その苦しさから心が乱れてしまいます。

その乱れた心を安定させるために、「フリーターやニートのほうが楽、正社員は自由がない」というように都合よく考え、逃げてしまいます。

でも、よく考えると正社員のほうが良いと気づいてしまい、また悩むという堂々巡りが起こってしまいます。

ココがポイント

そこで考えてみてください。本当に正社員は自由がないでしょうか?

むしろ、筆者は“正社員のほうが自由である”と感じます。

正社員のメリットとして週休2日の休みが保障されていることや、有給が使えることがあります。

それに給料面でいえば、正社員であればボーナスも出るので、圧倒的に正社員のほうが豊かな生活を送れます。

フリーターの場合、時間があっても、買い物をしたり旅行に行ったりするお金がない場合は自分の心を満たすことができません。

正社員であれば、有給をとって海外旅行に行ったり、奮発して大きなテレビを買ったりできます。余暇を楽しく過ごすことは心の栄養になります。

そして正社員になると、もうひとつ大きな自由が手に入ります。それは、親からの精神的自立をすることによって得られる、「真の自由」です。

フリーターの場合、収入が少なかったり不安定だったりして、誰かに金銭的に頼っていることが多いと思います。

ニートであれば、金銭面は完全に親に頼っている人が多いと思います。

お金の援助を受けていると、人は相手に服従的になってしまう傾向にあります。なぜなら、援助を打ち切られる恐怖感から、親の言いなりになるしかないからです。

そのため、親にお金を出してもらっていると、親の支配下から抜けられなくなってしまうのです。

私が普段カウンセリングをしている患者さんの中でも、親の支配下から抜け出せない人がたくさんいます。

正社員で働く場合、十分な給料を安定的にもらえれば、親からの精神的自立を果たすことができます。そして、稼いだお金は、親の顔色を気にすることなく自由に使うことができるのです。

自分の力で稼いでいる感覚により、自尊感情も高まります。好きなことにお金を使うことができれば、心が豊かになりストレスがなくなります。

単に時間がある=自由であるということではないということです。

③職場の人と仲良くできるか不安(いじめられないか、無視されないか)

就職に踏み切れない理由の一つに、「人間関係の不安」をあげる方は非常に多いです。

不安の理由

「人間関係の不安」の背景には、子供の頃に「親から虐待を受けていた」「学校でいじめられていた」などのトラウマから、“人は怖い”という思い込みが隠れていることがあります。

人間関係の苦手意識は、一人ではそう簡単に克服できるものではありません。

心理療法を受けても、数年はかかる場合があります。

正直、人間関係の苦手意識を克服してから就職するのでは遅すぎるのです。

ココがポイント

しかし、考えてみてください。あなたは何をしに職場に行くのでしょうか?もちろん仕事だと思います。人と仲良くしてお金を稼ぐわけではありません。

確かに、仕事もやりがいがあり、人間関係も良好というのが理想ではあります。しかし、そのような職場は多くはありません。

10人集まれば1人は厄介な人が必ずいます。人間関係が良好である職場はそう多くはありません。

仮に人間関係が良好であるように見えても、メンバーは常に入れ替わるし、見えない上下関係や嫉妬などが存在します。

そのため、人と仲良くなることに力を注いでいると、仕事に集中できなくなります。そこで、仕事選びの際は「業務内容が自分に合えばOK」と考えましょう。

それに、まだ仕事がまともにできない段階で、可愛がられることはあっても周りに信頼されることはありません。

職場での人間関係は、「仕事がいかにできるか」も大きく関わっているからです。

仕事に集中すれば仕事の評価が上がり、周りから信頼される。周りにペコペコしている八方美人より、クールだけど仕事ができる人のほうが職場では信頼されやすいのです。

つまり、いじめられないか、嫌われないかを気にするより、まずは仕事を早く覚えることに力を注ぎましょう。

④スキルや経験がなく、業務がこなせるか不安

人は誰でも、経験がないことには不安を感じます。

不安の理由

何かを決断する時、過去の経験から判断しますよね?

既に経験のあることなら、過去のデータから、できるかどうかの判断がつくので不安にはなりません。

しかし、経験のないことであれば、過去のデータから解決が見つからないため、とても混乱します。

経験がない(過去のデータがない)と不安になるのは、むしろ正常反応と言えるでしょう。

しかし、不安だからと言って何もしなければ経験は得られず、いつまでたっても不安なままです。

どうにかして経験を積むしか方法はないのです。

ココがポイント

経験がないのなら、まず「未経験でも可」の仕事に就くと良いでしょう。

未経験でも可といっているのだから、雇用主はあなたに経験値を求めてはいません。

おそらく、1からあなたに仕事のやり方を教えてくれるでしょう。

そして、どこかに就職することができれば、そこで経験が生まれます。

その業務の中で、自分が得意とすることを見つけ出せれば、自分の強みも生まれます。

そしたら、次からはその経験や強みを活かし、自分に合った仕事探しができるようになるでしょう。

⑤仕事のミスで怒られないか不安

怒られるのを極度に恐れる人は、「怒られる」の意味が人と違います。

不安の理由

自分に自信の無い人は、「怒られる=自分を否定された」と思い込んでしまう傾向にあります。

それは、幼少期に何かに失敗したときの親の反応が大きく関わっています。

まだ幼くて知能が発達していない子供は、なぜ怒られたかがわからず、自分の存在を否定されたと思い込んでしまうのです。

ココがポイント

しかし、仕事で怒られることは、決してあなた自身を否定しているわけではありません。

仕事のやり方が正しくないことを指摘しているだけなのです。

本来、怒ってくれるのは有難いことです。

怒ってくれると、自分の未熟なところを指摘してくれているので、何を改善すればいいかすぐにわかります。

そうすると、ミスを修正できて次からは成功に一歩近づきます。

「怒られる」から「怒ってくれる」というようにポジティブにとらえると恐怖心はなり、むしろ感謝さえ感じるのです。

⑥持病が悪くならないか不安

身体面の持病(心臓病など)のある方は、もちろん主治医に相談して、自分の働ける範囲を把握しておく必要があります。

不安の理由

しかし、中には持病があることを理由に全く働こうとしない人も多いです。

それは「疾病利得」といい、病気であることを理由に、楽な方向に逃げようとする心理のとこを言います。

この疾病利得は無意識に起こるため、自分でも自覚のないことが多いです。

ココがポイント

確かに持病のある方は、持ってない人に比べていくらかのハンディキャップがあるのは事実です。

ですが、たとえ持病や障害があっても、全く何もできないわけではないはずです。

世の中には体が不自由な人、目が見えない人、精神障害を抱えている人でも、障害者枠で正社員として働いている人はたくさんいます。

自分にできることで人の役に立つことして、感謝をされるという経験が、自信につながってくるのです。

もし持病や障害によりどうしても働けない場合、障害者手帳を申請することをお勧めします。

そうすると障害者枠での就職が可能になり、福祉の専門家によるサポートが受けられます。

一人は難しく感じることも、専門家に任せればできることも多くなります。

⑦仕事相手(社外の人)と話ができるかが不安

これはコミュニケーションを苦手とする人にとっては切実な悩みだと思います。

不安の理由

コミュニケーションに苦手意識を持っている人は、うまく話せるようにならなきゃと思うあまり、話が上手な人ばかりと自分を比べている傾向にあります。

そのため、自分がとても話が下手であると思い込んでしまい、さらに話すことが苦手になっていってしまうのです。

ココがポイント

しかし、芸人やアナウンサーのような話の専門家にならない限り、仕事でのコミュニケーションはあなたが思っているほど難しくはありません。

あなたが、話すことが上手いなと感じる人でも、よく聞くと普通の話を永遠としているだけの人もたくさんいると思います。

でも普通の話ができれば上出来だと思いませんか?

コミュニケーションの基本は、「自分の気持ちを相手に伝えること」です。

まずは伝えるべきことを相手に伝えられるようになることを始めの目標にしてください。

そのためには、普段からコミュニケーションを少し意識する必要があります。

コンビニのお金の受け渡しの時に、相手の目を見て「ありがとうございます」と言ってみてください。

宅配の荷物を受けとるとき、「ご苦労様です」と言ってみてください。

このような日常の小さな積み重ねが、コミュニケーションの苦手意識克服につながります。

しかし例外として、「相手の気持ちがわからない」、「場の空気がわからない」などが度を過ぎる場合、発達障害が隠れている場合があります。

発達障害とは、脳の器質的異常によって、生まれ持って人と違う感覚を持っているため、周りに溶け込むことができず、日常生活や仕事に支障をきたす障害です。

もしそうだとすれば、努力だけでは難しい場合もあります。

自分もそうかもしれないと不安な方は、一度病院で検査してもらうとよいでしょう。

⑧就職した場合、悪い面ばかり思い浮かぶ

就職したら自由がなくなる、責任が重くなるなど嫌なイメージを持つ人は多いです。

不安の理由

やはり、就職することに不安を感じる人は、悪い方向に考えやすくなります。

それは、気分一致効果が関係しています。

気分一致効果とは、その時の気分に合わせて思考が変化する心理的現象のことです。

人は、気分が悪い時に物事の悪い部分を想像しやすく、気分の良い時は物事の良い部分を想像しやすいのです。

いつもニコニコしている人がポジティブなのは、いつも良い気分だからです。

ココがポイント

いつも就職に悪いイメージを持ってしまう人は、楽しい時やリラックスしている状態で就職について考えてみてください。

いままで気づかなかった就職するメリットが、不思議と見えてきます。

そして、自分が就職してうまくやっているところを想像してみてください。

就職したら何が得られるのか、今の状態とどう変わるのかを五感をフルに使い想像するのです。

そうすると、わくわくしてきて就職をする恐怖心より、挑戦したい気持ちがこみ上げてきます。

⑨空白期間が長いので良い仕事が選べず興味のない仕事、不得意な仕事なので不安

仕事内容に興味がないから働きたくないと言う人は多いです。

ココがポイント

しかし、好きなことを仕事にすることには落とし穴があります。

好きを仕事にすると、好きだったことまで嫌いになってしまうことがよくあります。

なぜなら、仕事というのは相手のニーズに合わせるのが基本なため、好きなこと好きなようにできなくなるからです。

それに、案外好きなことはたまにやるから楽しいのであり、毎日やるとうんざりしてしまうことだってあります。

まずは「好きなことを仕事にしたい」という思いからいったん離れ、自分の能力で役に立てそうな仕事をしようと考えてみましょう。

苦手な仕事だからいやというのもよく聞きます。

しかし、その中には挑戦してもいないのに苦手と言っている人も少なくありません。

もしそうだとしたらもったいないです。

自信がない人は、これ以上自信を失わないために、やりもせず避けてしまう傾向にあります。

苦手だと思っても、やってみると意外な自分の能力に気づくことがあります。

ぜひ苦手を克服するチャンスだと思って挑戦してみてください。

⑩重労働に耐えられるか不安

ココがポイント

確かに重労働は体力に自信がない場合、不安に感じるでしょう。

しかし、体力を使う仕事にはメリットもたくさんあります。

現代人は運動不足であると言われています。そして運動不足はメンタルヘルスに悪影響を及ぼすことが多くの研究で明らかにされています。

内勤業務の場合は一定の姿勢で長い間とどまっているため運動不足になりやすく、血行も悪くなり肩こりの原因にもなります。

筆者も室内での仕事が多いため、移動は素早く歩き、エレベーターは使わないと決めています。

それでも足りないくらいです。

体を動かせる仕事だと、仕事をしながら運動不足を解消できるという大きなメリットがあります。

肉体労働の人は、事務職の人に比べて体を適度に動かしているため、適度な身体的疲労があり、精神的疲労がたまりにくいと言われています。

そのため、睡眠の質が良くなり精神的健康度が高くなります。

それに、体を若いうちに動かしていると脳機能にも良い影響を与え、65歳以降の認知症発症率も下がります。

重労働であるメリットにも意識を向け、前向きに考えてみるとよいでしょう。

⑪無職だった頃を馬鹿にされないか不安

多くの人は、働いていないことに劣等感を感じています。

ココがポイント

劣等感が強い人は、人からどう見られているかを必要以上に気にします。

しかし、あなたが思っているほど、他人はあなたの過去に関心はありません。

もし、無職だったことを笑われたとします。

でも、相手は馬鹿にしたわけではないことも多いです。

馬鹿にされたと感じるのは、自分が気にしているあまりに無意識に「相手の発言」と「馬鹿にされた」を結びつけてしまうからです。

また無職であったころを馬鹿にされるか不安な人は、無職であったことを自分自身が認めていないことが多いです。

「俺が無職になるわけがない」、「俺はもっとできるはずだ」のように理想像が自分だと勘違いしています。

そのため、馬鹿にされることを不安に思う人は、まずは自分のありのままを認めましょう。

もし自分の弱さを認めていれば、仮に馬鹿にされても動じないはずです。

そうすれば、いつ誰に馬鹿にされても不安に思うことはなくなります。

馬鹿にされる不安が強い人は、等身大の自分を受け入れましょう。

⑫正社員は責任が重くて不安(自信がない)

正社員で働くと言うことは、ある程度の責任が伴います。

ココがポイント

自信がないから、責任が重い仕事はできない・・・。

これは、矛盾しているように思います。

確かに、責任が重い仕事は自信がないと不安に感じるかもしれません。

しかし、「責任が重い=絶対失敗してはならない」ではありません。

人は誰でも失敗はします。でも失敗した時こそチャンスです。

責任のある仕事は、「失敗をどうリカバリーするか」がもっとも大事なのです。

「何かのミスをしたとき、取引先に誠意をもって謝ったことがきっかけで信頼関係が気づけた」ということは、よくあることです。

それに、責任ある仕事を達成した時に、成功体験から自信がつきます。

そして、責任ある仕事を任されていると、自分がいる意味、すなわち「自分の存在価値」を感じることができ、さらに自信がつきます。

そのため、自信がなければむしろ責任ある仕事をして自信をつけていくことが大事なのです。

働ける気がしない最大の理由

これまで、「正社員で働くことの怖さ」を克服する方法を解説していきました。

記事の冒頭で述べた通り、何かと不安に感じる原因はすべて“未知の領域に踏み込むことへの恐怖”が関係しています。

 

しかし、筆者が一番伝えたい重要なことは「不安や恐怖心は自分を守ってくれる大事な感情なので、取り除く必要はない」ということです。

え?何をいまさら言っているのかと思ったかもしれませんが、これはかなり大事なことです。

 

精神病の中で、不安や恐怖心がなくなってしまう「躁(そう)状態」があります。

これは、不安や恐怖心がないあまりに、危険なことに平気で挑戦したり、人を傷つけることを平気でしてしまったりする状態のことです。

こうなってしまうと、自分の身にも危険が起こってしまいます。人は不安や恐怖心がないと、取り返しのつかない過ちを犯してしまうものです。

そうならないために、まだ経験の少ないうちは不安や恐怖心があるのです。不安という感情は、実はあなたを守ってくれるとても大事な感情なのです。

 

不安で行動できない人の共通点は、「不安を完全になくすこと」を目指していることです。「不安はネガティブな感情だから消し去らなければいけない」と主張するノウハウ本をよく見かけます。

でもそれは根性論の中での話であり、心理学的には間違っています

 

現在の心理学界の常識は、心の動きは取り除いたりコントロールしたりするのではなく、受け入れることが重要であるとされています。

気持ちの一時的なコントロールはテクニックにより可能ですが、長期的には不可能です。無理に取り除こうとすると、それができないストレスによりさらに不安になります。

これが、不安や恐怖心が完全になくならない理由です。

 

そのため、湧き上がる不安は取り除こうとせずに、受け入れることが大切なのです。

私は、普段カウンセリングで皆さんに「不安が50%、やりたい気持ちが50%になったときに行動してください」と言っています。

 

一番しんどいのは、はじめの一歩を踏み出す瞬間です。それさえクリアできれば、あとは意外ととんとん拍子に進みます。不安が50%あるのがむしろベストな状態であると考え、その不安とともに少しの勇気で思い切り前へ踏み出しましょう。

まとめ

不安でもいいと思うと、心が軽くなりませんか?

どうしても就職に踏み切れないという人は、専門家を頼るのもいいと思います。

就職支援センターに相談してみる、または心の問題を抱えているなら臨床心理士のいる病院でカウンセリングを受けることをお勧めします。

 

現代は若者を中心にフリーターやニートが増えていますが、この記事を読んだらあなたなら、もう就職への一歩を踏み出せると思います。

この記事を読み切ったこと自体が、あなたが踏み出した始めの一歩なのかもしれませんね。遠くから、頑張るあなたを応援しています。

  • この記事の監修者

監修者:粟生

社会福祉士、精神保健福祉士、公認心理師。大学卒業後、福祉系の専門学校に入学し、社会福祉の道に進む。行政や社会福祉協議会等で、子供から高齢者、障害者と幅広い属性の方の相談援助業務に携わってきた。現在はソーシャルワーカーとして若者の相談支援に携わっている。

-ニート・引きこもり社会復帰

© 2024 突撃!ニート先輩|既卒・フリーター・職歴なしの脱出ブログ|正社員就職